FUSION-PCとはWindows
PCでMac OSをエミュレーションするソフトです。詳細は、前に記した「VAIOがMacになった日」を見て下さい。
さて、今までのVersionの不満点として、
などが挙げられるが、今回のバージョンアップの目玉は、WindowsのDOS互換モードからFUSION-PCを起動できる事であり、これによって、以前は無理であった内蔵モデムの使用も可能になった。
実は、開発元のMicrocode Solutionsからは既にVer2.0がリリースされていて、新規に購入すれば日本でももっと早く入手できた。しかし、「Ver1.21を購入したユーザーには無償でVer2.0にアップグレードが出来る」というのが、国内代理店(株)オープンテクノロジーズ社のWEBにも大々的に掲げられていたので、そのアップデート版を待つ既存ユーザーはアップデートの遅さに苛立っていた。一時は「無償アップデートを取りやめる」と方向転換したので、FUSION-PCユーザメーリングリストの中でも騒動となり、結局はオープンテクノロジーズ社が誠意的に対応し無償でアップグレードしてくれた。(「登録ユーザーにVer2.0のディスクを送る」とアナウンスがあったので、慌てて登録した。(^^; )
さて、祖母の葬式で急遽日本に帰った11月下旬、実家にVer2.0のアップデートディスクが届いていた。梱包の中身は写真の通り。
インストールは至って簡単。送られてきたディスケットでVer2.0用のディレクトリにインストールし、今までのFUSIONのディレクトリのデータを新しくできたVer2.0のディレクトリに移すだけ。
早速、FUSIONのセットアップを行う。今回からDOSモードで再起動する必要はなく、Windowsのスタートメニューから「MS-DOSプロンプト」を選択し、DOS互換モードにする。
Windowsのデスクトップ上にDOS用の窓とDOSプロンプトが現れるので、FUSIONのディレクトリに移動し、「setup」と入力する。
右の写真のように怒られるので、Alt+Enterキーを押して全画面表示にする。
見慣れたFUSIONのセットアップ画面。但し、Ver2.0から日本語対応にもなったので表示も日本語に出来る。
各項目を設定し、いよいよ「エミュレーション起動」。。。立ち上がらない。。。WHY?。。。試しにDOSモードから立ち上げてみると、ちゃんと動いた。DOSモードとDOS互換モードの違い???。そういえば、DOSモードではUSB FDDが認識されていない。互換モードはWindows上なので、もちろんUSB FDDも有効。もしやと思い、「フロッピー」の設定でFDDを使えないように設定したら互換モードでも無事MacOSが起動した。Ver2.0でUSBのFDDにも対応している筈なのだが、私の環境ではNG。まあ、最近はFDDが無くてもあまり不便は感じないので、取りあえずFDDは無効にする。
さて、冒頭に「内蔵モデムの使用も可能になった」と書いたが、これが成功するまでには結構苦労した。最初、FUSION-PCを購入する前に買った毎日コミュニケーションズ発刊の参考書「FUSION-PC Complete Guide」には、「内蔵モデムの使用はWindowsのリソース関係、ポート周りのハードのこと、などに熟知している必要があり一般の人には無理」と書いてあったので諦めていたが、なんとなく今回のVer2.0では出来そうな気がしたので、Internetで情報を集める。「FUSION」「VAIO」「内蔵モデム」などで検索すると、「VAIO de Mac」というWEB Pageに成功談が載っていた。これで俄然やるきが起こった。
このWEBの説明に依ると、あっけないくらい簡単に出来てしまったとのこと。ポイントは、MacOS標準のPPPを使うのではなく、フリーウェアのfreePPPを使うこと。MacOS標準のPPPは、モデムによって異なるCCLファイルを必要とするのだが、VAIOに搭載されているモデムのCCLファイルが無いので、CCLファイルのことを考えずに済むfreePPPを利用する。
手順は、
以上で見事、モデムの接続が始まった。これにはちょっと感動!!。
Macのメーラー「ARENA」でのメールの送受信も全く問題なく出来た。
これで何が一番便利になったかというと、会社で事実上Windowsしか使えなくなった今、会社からダイアルアップでPrivateメールを受信しようとすると、TCP接続からPPP接続に変える必要があり、Windowsの場合は再起動しなくてならない。Macの場合はOpenTransportで再起動無しで切り替えられたのだがWindowsは違う。結局これが面倒で、会社でVAIOを使うようになってからは家に帰るまで1度もPrivateメールを受信する事がなくなり、家に帰って初めて100通近い未読を読み、急なオフ会などの連絡が後の祭りに成ってしまうことが多かったのだが、このFUSIONの仮想Macから受信できると、一々再起動する必要は無いので非常に便利である。思わぬメリットであった。
Ver1.21のFUSION-PCを搭載した私のVAIO Mac NOTEは、タダの飾り的な存在(自己満足)でしか無かったが、今回のバージョンアップにて、本格的に使ってみようという気持ちが沸いてきた。私にとって、「内蔵モデムが使える」という事は非常に衝撃的な出来事であった。